New York Dolls
New York Dollsのファーストアルバムを全曲解説。忌野清志郎の「カバーズ」でジョニー・サンダーズが ”Eve of Destruction” と"Secret Agent Man"で客演したのを機に、ジョニーのソロとニューヨーク・ドールズのアルバムを聴き始めたと思います。そのころデビッド・ヨハンセンはバスター・ポンデクスターになっていましたから。初シングル"Personality Crisis"は、ベスト40が最高位で、発売当初はさほど話題にならなかったようですが、間違いなくバッドボーイズ・ロックの源流のひとつ。SEX PISTLESらのパンク勢はもとより、ハノイ・ロックスにマイケル・モンロー、LAメタル、モトリー・クルーやガンズ&ローゼスらへの影響は計り知れない。デビュー同世代のエアロスミスや結成時に参考にしたというKISSが、ビジネスで成功を納め、健康など金で買えるロックセレブな彼らと、ニューヨーク・ドールズ及びデビッド・ヨハンセンの晩年の境遇が不憫でならない。ジョニーやケインらのオリジナルメンバーが、アル中やジャンキーでなければその後があったのにと思いますが、そういう世界線は決してなかったのでしょう。短い活動期間で凝縮された一撃で歴史を飾ることができたのでしょう。