ジミ・ヘンドリック(Jimi Hendrix)のアルバムを紹介しています。

Jimi Hendrix [Electric Ladyland]
68年発売のジミヘンドリックスの3rdアルバム。愛を創造し神への謝辞から始まるアルバムは、最後に"Voodoo Chile"として自然を操る全能者の降臨で締めくくられる。当初はストック曲やセッションの寄せ集めと捉えていたこのアルバムには、実は一つのアポカリプス的なコンセプトとストーリーが存在していたのですね。ロック、ブルース、ジャズ、ファンク、サイケデリック等、不協和音で崩壊寸前のエクスぺリンスを見限り、ステーブ・ウインウッド等のゲストを迎えジャムりながら様々スタイルを模索し記録した作品集なのだろう。All Along the Watchtowerは是非一度は聴いてほしい。

Jimi Hendrix [First Rays of the New Rising Sun]
エレクトリック・レディ・スタジオでミッチ・ミッチェルとビリー・コックスらが作業した多くの曲は切り取られ「The Cry of Love」、「Rainbow Bridge」、「War Heroes」他のアルバムに散逸していった。ヘンドリックスの家族が設立した団体「Experience Hendrix」により生前の権利が保護され、一時散逸したマスターテープが集められ、当時のプロデューサーであったエディ・クレイマーの監修のもと、ベストなテイクを選び出している。生前のジミ・ヘンドリックスの構想に近づけるべく編纂され、1997年にリリースされたコンピレーション・アルバムである。その後エディ・クレイマーによりアウトテイクやバージョン違いの曲がアルバムとして数枚編纂されたが、これが決定版である。(と言い切れない程いいテイクがボックスセット等で発表されている)Freedomこの曲はジミの生前に既に完成していたようだ。ギターのカッティングが硬質になりリズムの構造もシンプルになった。ブラックロック、ファンクロックへ変化している。もしジミ・ヘンドリックスが健在でこの方向性はどのようにJimi Hendrix [First Rays of the New Rising Sun]を新たに全曲解説。進化を遂げたのだろうか。夢想せずにはいられない。ファンカデリックやプリンスらの後続への影響は大きい。

Jimi Hendrix [Axis: Bold as Love]
67年の「Axis: Bold as Love」は、彼のチェロキー族の血を引く者の宇宙観や神秘体験、哲学や経験を反映させた創造性と音楽的な成長を示したアルバム。サマー・オブ・ラブの時代の作品でサイケデリック・ロック、ブルース、ジャズなど、さまざまな音楽スタイルが融合している。サブテーマは「宇宙や精神的な探求」。幼少期からSF好きでUFOを見たと主張している。宇宙への関心は高かったようだ。

Jimi Hendrix [Are You Experienced?]
「ローリング・ストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大なギタリスト」のランキングで何度も1位に選ばれている。彼のアーティストとしての特異性は、音を色彩として感知し表現する共感覚の持ち主である事。リバーブが欲しい時は「もっと紫を足してくれ」とプロデューサに指示していたという。下積み経験を経て、彼のアーティストとしての進化は、ギターのエフェクター、エレクトロニクス機器、アンプの出力等の技術進化と足並みを揃え、彼の頭の中で色彩となって溢れる音像を作品としてアルバムに結実させる事ができた事。何より彼の才能を認めイギリスでデビューを画策した元アニマルズのマネージャー チャス・チャンドラーの慧眼が大きな役割を果たしたのだろう。デビューから死まで活動期間は4年。生前に公式に発売されたアルバムは4枚のみ。