『Beggars Banquet』は1968年にリリースされた7枚目のスタジオ・アルバム。ジミー・ミラーがプロデュースした初のローリング・ストーンズ・アルバムであり、彼のプロデュースした作品群は1960年代後半から1970年代初頭にかけて、ローリング・ストーンズのサウンドの重要な要素を形成した。『ベガーズ・バンケット』は多くの市場でトップ10入りを果たし、アメリカでは5位(プラチナ認定)を記録したほか、バンドの母国イギリスでも3位を獲得。音楽評論家からは大変好評で、彼ら本来のスタイルに戻ったと評価された。発売当時はメジャーヒットシングルこそなかったものの、「悪魔を憐れむ歌」や「ストリート・ファイティング・マン」(アメリカ・ビルボード48位)といった曲は、その後数十年にわたりロックラジオの定番曲となった。

- Sympathy for the Devil
- No Expectations
- Dear Doctor
- Parachute Woman
- Jigsaw Puzzle
- Street Fighting Man
- Prodigal Son
- Stray Cat Blues
- Factory Girl
- Salt of the Earth
Sympathy for the Devil(悪魔を憐れむ歌)
サンバ風のリズムに乗せて、悪魔の視点から人類の歴史を語る挑発的な楽曲。宗教・政治・哲学をシニカルに描く、ストーンズの知的側面を象徴する名曲。邦題も曲の意図を外していると思うが、全く黒魔術やサタニズムとは遠いとこにある歌詞だと思います。
No Expectations
ブライアン・ジョーンズのほぼ最後の貢献となるスライドギターがもの悲しく響く。失恋と喪失感を静かに描いたバラードですが、やはりジョーンズの悲しい死と重なってします。
Dear Doctor
ミックが南部訛りで歌うカントリー風コミカルソング。失恋をユーモラスに描き、アルバムの中でも異色の存在。
Parachute Woman
エロティックな表現を含みながらもローファイな録音とブルージーな雰囲気が特徴的。アンダーグラウンドな魅力がある。
Jigsaw Puzzle
少々単調ながらクールな曲調は悪くなく、ディラン風イメージの連鎖的歌詞が紡ぐ6分超えの大作。ただ歌詞のメッセージはよく分からない。「Aftermass」収録の”Going Home”的な大作。
Street Fighting Man
ベーシック・トラックは、ロンドンのオリンピック・サウンド・スタジオで初期のフィリップス ・カセット・デッキを使って録音された。リチャーズがギブソン・ハミングバードのアコースティック・ギターを演奏し、ワッツがアンティークのポータブル練習用ドラム・キットを演奏した。政治への不満が路上での激しい衝突を招く事態に、同情的なミックの視点と既にロックスターとなった現実のギャップが皮肉だ。
Prodigal Son
「プロディガル・サン」は、ロバート・ウィルキンスによるフォークブルースのカバー。レンブラントの絵画『放蕩息子の帰還』、フレディ・ハバードの”Return of Prodigal Sun”としてもお馴染みの宗教的題材。ストーンズの原点回帰を象徴する楽曲として評価されているが、確かに編曲はフォークブルースではあるが、厳密にはブルースではない。
Stray Cat Blues
性的に挑発的な歌詞とダークで重いブルース・サウンド。ストーンズの“危険な魅力”を体現する一曲。ジョニー・ウィンターもカバーするのも納得。あのストレイ・キャッツのバンド名はここからでしょう。
Salt of the Earth
労働者階級への賛歌。ゴスペル合唱団をフィーチャーし、社会的メッセージと音楽的感動が融合している。

コメント