AC/DC ブロウ・アップ・ユア・ビデオ
AC/DC [Blow Up Your Video]
アンガス、マルコムの兄ジョージ・ヤングがプロデュースした作品。前任ボン・スコットは泥酔し吐瀉物を詰まらせ死亡。新任ブライアン・ジョンソンをボーカルに据えた80年の「バック・イン・ブラック」は傑作だが、以降ちょっとした低迷期があった。90年発売の次作「レザー・エッジ」はボン・ジョヴィやエアロスミスのヒットを請け負ったブルース・フェアバーンがプロデュース。ただし今回紹介の本アルバムはそれに劣らないメジャーヒットを記録したキャッチーなアルバム。ここでもハードロック魂は健在だ。
- Heatseeker
ライブのウォームアップのように始まり、左右のギターリフがユニゾンで迫るエネルギッシュなオープニング曲。ブライアンのボーカルは金切り声なのに耳馴染みがいい。ドラムがゴツゴツとボトムを突き上げ、推力を上げていく。ハードロック系のリスニング・リストを作る時はいつもこの曲から始まる。(2番目はいつもモトリークルーの「キック・スタート・マイ・ハート」)アンガスが帽子を引っかけたのがミサイル発射レバーで世界各地を「熱探査ミサイル(Heatseeker)」が飛び回り、AC/DCが演奏しているオーストラリアのオペラハウスに突き刺さるストーリーのコミカルなビデオは一見の価値あり。 - That’s the Way I Wanna Rock ‘N’ Roll。
タイトルからして 50年代のロックンロールへのオマージュ。ドラムがパワフルで直線的でいい。 - Meanstreak
早めの曲が続いたのでペース転換にミッドテンポのグルーヴ。ファンキーと言えるようなタイトな演奏。エアロスミスとも共通するようなファンクロック。 - Go Zone
これもミッドテンポのグルーヴだがちょっとキャッチーでメジャーな響き。 - Kissin’ Dynamite
ブルージーに始まるスローかと思えばいつものミッドテンポ。ダイナマイトにキスとは。エネルギッシュでハードだが、コミカルさも忘れない。 - Nick of Time
AC/DCにしては曲に起伏がありサビもメロディアス。アンガスのソロもありヒット狙いのような気もする。サミー・ヘイガーの曲のようだがブライアンが歌えばすべてAC/DC。キャッチーでいい曲です。 - Some Sin for Nuthin
ダークで重厚。 - Ruff Stuff
珍しくメロディアスで構成もしっかりしたヒット狙いのような曲のように思える。これもサミー期のヴァン・ヘイレンのようだがブライアンが歌えばすべてAC/DC。 - Two’s Up
シリアスなムードが漂う。アンガスのギターソロもちょっとクールな音色で入るがいつものぎゃんぎゃんした感じで最後はまとまる。 - This Means War
アルバムのクロージングで攻撃的なシャッフルリズム。これもブルースロックやロックンロールを強く感じさせる。この曲が好きになれるならモーターヘッドも聞ける。
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