2025-06

ROCK

Derek and the Dominos[Layla and Other Assorted Love Songs』

アルバム制作の背景として、クラプトンはデラニー&ボニーのツアーに同行し、ジョージ・ハリソンの「オール・シングス・マスト・パス」のアップルセッションに客演、初のソロアルバムを発表する。この辺が英国とアメリカにまたがって発生し、活動を通じて知己を得たボビー・ウッイトロックとバンドを結成することになる。それがデレク・アンド・ドミノス。半世紀も前のアルバムで、これほどの魅力を湛え、愛されるアルバムはロック歴史上でも稀なケースでしょう。デラニー&ボニーの影響は大きく、アメリカ南部のカントリー、ゴスペル、ブルースやソウルを吸収した英国人ブルース・ギタリストが自ら歌い体現する。一連の動きはスワンプ・ロックと呼ばれ、自身の親友の妻への横恋慕と苦悩を投影した曲群は、このスタイルの頂点を成すアルバムとなった。特にアルバムを象徴する「レイラ」は激情を隠さない熱い展開を聴かせますが、後半では一転して、スライダギターが奏でるセンチメンタルなフレーズが心地いい余韻を残す名曲です。