2025年5月に発売された、ジェシ・エド・デイヴィスの『Tomorrow May Not Be Your Day – The Unissued ATCO Recordings 1970-1971』はファースト『JESSE DAVIS』とセカンド『ULULU』から未発表曲とテイク違い、恐らくジャムや歌入れ前のインストを収録した編集アルバム。オリジナルアルバムとしてカウントはできないが、音源をオリジナルマルチトラックからの最新リマスターでコンパイルしただけに聴きごたえ十分の作品です。アナログLPの価格が高騰しているようです。私はCDにしておきました。

- Tomorrow May Not Be Your Day (Unissued)
- Crazy Love (Unissued Alternate Take)
- Kansas City (Unissued Instrumental)
- Rock And Roll Gypsies (Unissued Alternate Version)
- Tracks Of My Tears (Unissued)
- Every Night Is Saturday Night (Unissued Alternate Version)
- Love Minus Zero/No Limit (Unissued Instrumental)
- “Slinky Jam” (Unissued Instrumental)
- Qualified (Unissued Instrumental)
- Washita Love Child (Unissued Slow Instrumental #1)
- Washita Love Child (Unissued Slow Instrumental #2)
- Washita Love Child (Unissued Instrumental With Pow Wow Introduction)
- Washita Love Child (Unissued Alternate Lead Vocal)
- Ain’t No Beatle (Unissued)
- Caravan (Unissued Instrumental)
- Pat’s Song (Golden Sun Goddess) (Unissued Alternate Instrumental)
- Ululu (Unissued Alternate Instrumental)
まだ聴きこんでいないので数曲の感想だけ入れておきます。
1. Tomorrow May Not Be Your Day (Unissued)
初めて聴くバーション。タジ・マハールの曲のカバー。女性コーラスの入った明るいスワンプロック。
2. Crazy Love (Unissued Alternate Take)
ヴァン・モリソンの曲。リマスターされて音の質感がクリアになり、ボーカルとギターの良さが際立っている。(アナログぽい良さは無くなった)
3. Kansas City (Unissued Instrumental)
ビートルズがカバーしたリトル・リチャードの「カンサス・シティ」?とは一聴して分かりませんでした。どっかで聴いたことがある気がします。
4. Rock And Roll Gypsies (Unissued Alternate Version)
ロジャー・ティルソンのジプシー・トリップスがオリジナル。ファースト『JESSE DAVIS』でカバーした曲のオルタナテイク。リマスターされて音の質感がクリアになり、メロディライン、ボーカルとギターの良さが際立っている。(アナロぽい良さは無くなった)
5. Tracks Of My Tears (Unissued)
ミラクルズのヒット曲のインスト。ジャムなのか歌入れ前なのかは不明ですが、きちんと曲のメロディが聴こえる。
6. Every Night Is Saturday Night (Unissued Alternate Version)
『JESSE DAVIS』収録曲のオルタナテイク。オリジナルのニューオリンズらしい鳴り物入りの狂騒的なバージョンは必聴ですが、クリアでメロディの立ったギターとボーカルが聴ける本作テイクも魅力がある。ボーカルのテイクは同じで、サックスなどの鳴り物がオミットされている。
7. Love Minus Zero/No Limit (Unissued Instrumental)
ボブ・ディランの曲のカバーのインスト。「ヒョウ皮のふちなし帽」ぽいメロディが聴こえるが、ラブマイナス・ゼロのメロディが認識できない。
8. “Slinky Jam” (Unissued Instrumental)
デラニー・ブラムレットとエリック・クラプトンの共作インスト。クラプトンのファースト・ソロアルバム収録曲。ノンクレジットながらエド・デイヴィスもジャムには参加していたのでしょうね。
9. Qualified (Unissued Instrumental)
10. Washita Love Child (Unissued Slow Instrumental #1)
11. Washita Love Child (Unissued Slow Instrumental #2)
12. Washita Love Child (Unissued Instrumental With Pow Wow Introduction)
13. Washita Love Child (Unissued Alternate Lead Vocal)
#10~#13はファースト『JESSE DAVIS』収録曲のオルタナテイク。クラプトン参加曲のままでしょうか?後半ドライブする展開は最高です。
14. Ain’t No Beatle (Unissued)
“Red Dirt Boogie, Brother”の原曲なのか?曲調は違うように思えますが、歌詞はなんとなく。
15. Caravan (Unissued Instrumental)
16. Pat’s Song (Golden Sun Goddess) (Unissued Alternate Instrumental)
17. Ululu (Unissued Alternate Instrumental)
1960年代から70年代にかけて多数のアーティストのサイドマンとして活躍していたネイティブ・アメリカンのギタリスト、ジェシ・エド・デイヴィス。3枚発表しているスタジオ・アルバムはそれぞれ違った味わいの素晴らしい作品です。私にとって最初の出会いは、ローリング・ストーンズの「ロックンロール・サーカス」(69年)でタジ・マハールのバンドのギタリストとして動いている姿を見てから。そこで見た立姿と特異なギタープレイと音色、ゆったりとしたリードギターはジミ・ヘンドリックスやキースとは違ったヒーロー像でした。スワンプロックやストーンズ・ファンの文脈で言えば、75年のフェイセスの米国ツアーに参加し「ラブ・ユー・ライブ」に収録されたアンコール“悪魔を憐れむ歌”でギターを弾いている。(L.Aフォーラムのアンコールに参加しているようですが、音は分からない)
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