1969年にアポロ計画で月に到達した人類が、宇宙に目を向けた70年代初期のアルバムで、1974年にチャールズ・アーランドがプレステージから発表した2枚組大作アルバム。操縦桿らしき鍵盤を操るジャケットや曲タイトルから伺えるように、宇宙志向のアルバムとなっている。宇宙ネタではアース・ウィンドウ&ファイヤーやPファンク、ロックでもデヴィド・ボウイの「ジギー・スターダスト」なんかがありますが、ジャズ畑でもサン・ラーを筆頭にジョン・コルトレーンやアリス夫人、ファロア・サンダースらが精神性や宇宙との一体化を追求していた時代です。
ただし「リーヴィング・ディス・プラネット」は難解な精神性や高尚さではなく、オルガンジャズ奏者らしく、大衆よりの分かり易いソウルジャズの発展形の様です。またビッグバンドがお好きなようで、豪華なソロイスト達を起用し、フレディ・ハバード、エディ・ヘンダーソン、ジョー・ヘンダーソンらが素晴らしいソロを聴かせてくれます。
全体的に分離のよいクリアでクールな音の質感ですが、前作から引き続き参加のパトリック・グリーソが、グネグネしたシンセサイザーで更にノイズ成分をまき散らしています。この辺の異物感にジャズ・ファンの好き嫌いは分かれるでしょうが、私にはアーランドの最高傑作だと思います。

- Leaving This Planet
- Red Clay” (Freddie Hubbard)
- Warp Factor 8
- Brown Eyes
- Asteroid
- Mason’s Galaxy
- No Me Esqueca” (Joe Henderson)
- Tyner
- Van Jay
- Never Ending Melody
- Charles Earland – organ, ARP and Moog synthesizers, clavinet (on track 3), soprano saxophone (on track 8), electric piano (on track 10)
- Eddie Henderson – trumpet (on tracks 1, 4, 6, 8)
- Freddie Hubbard – trumpet, flugelhorn
- Dave Hubbard – soprano saxophone, tenor saxophone, alto flute
- Joe Henderson – tenor saxophone
- Patrick Gleeson – ARP and Moog synthesizers
- Eddie Arkin (on tracks 1, 3, 4, 6, 8, 10); Greg Crockett (on track 2); Mark Elf – guitar
- Brian Brake (on tracks 3, 9, 10); Harvey Mason – drums
- Larry Killian – percussion
- Rudy Copeland – vocals (on track 1)
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