AC/DCの世界デビュー・アルバム『High Voltage』は、1976年にリリースされた。オーストラリアでの初期2作『High Voltage』と『T.N.T.』の楽曲を良いとこ取りして、編集したものアルバム。好きな曲は#1と#9がダントツ。”Little Lover”のように重いブルース調もあれば、クールな”Live Wire”もある。アルバムを通してステディなドラムとギターの抜けのいい響きがいい。アルバムをニコイチにしたので楽曲にも幅あるような錯覚を覚える。(ほめてます)

- It’s A Long Way To The Top (If You Wanna Rock ‘n’ Roll)
- Rock ‘n’ Roll Singer
- The Jack
- Live Wire
- T.N.T.
- Can I Sit Next To You Girl
- Little Lover
- She’s Got Balls
- High Voltage
1. It’s A Long Way To The Top (If You Wanna Rock ‘n’ Roll)
現在に至るバンドの基本的スタイルが既に完成されている。音の迫力とスピード感、しつこくもキャッチーなギターリフ、ボーカルの暑苦しさにおいてAC/DCを代表するロックン・ロール。間奏でアンガスの鋭く艶のあるフレーズとコール&レスポンスをするバグパイプ。なんでこんなにシンプルなのにカッコいいのだろう。
この曲のプロモビデオは、実は3バージョンあるそうです。私はビデオ版ベスト「ファミリー・ジュエルズ 」で見たトラック・バージョンが好きです。メルボルンの通りを走行するトラックの荷台にバンドとバグ・パイプのメンバーが乗って演奏をしている。ボン・スコットはカメラ目線でタトゥー入りの細腕でバグパイプを演奏する。アンガスは半ズボンのスクール・ボーイでバンキングしながらギターを弾く。アンガスより9歳年上のボンは既におっさんだが、他のみんなは若い!アンガスなんてお肌つるつるの子供みたい。こちらのビデオは1976年に音楽TV用に380ドルで制作されたそう。2010年にYouTubeにアップロードされあっという間に3,800万回以上の再生回数を記録したそうです。
2代目ボーカルのブライアン・ジョンソンは、ボン・スコットの代名詞ともいえるこの曲に敬意を表し、決してこの曲を歌わないそうです。本当にいい話です。
2. Rock ‘n’ Roll Singer
AC/DC流のハードロック。抜けのいいギターリフがカッコいい。真面目に歌詞に向き合うとボン・スコットの真剣さが伺える。ロックスターになることに確信的であり、その代償として一般的な社会の通念に背を向ける姿勢は確信犯なのだ。
3. The Jack
今回改めて聴いてみました。重いブルース調で、どうせろくな歌詞じゃないだろうなと思っていましたが、案の定ろくなものではなかった。(ほめてますからね)ジャック、キングにクイーンだとポーカーゲームのようですが、「The Jack」とは「淋病」のスラングですと。彼女から「淋病」をうつされたということ。
4. Live Wire
ステディなドラムとギターの抜けのいい響きがいいクールな曲。
5. T.N.T.
男臭くも悪童ボン・スコットらしいダイナマイト野郎の賛歌。あ、T.N.T.火薬か。カッコいいギターリフに”オイ! オイ!” の掛け声も勇ましいライブでも定番な有名曲。後年まで続くAC/DCらしさ。
6. Can I Sit Next to You Girl
ジェフ・ベック時代のヤードバーズのブルース・インストかと思ってしまった。久々に聴いて面白かった曲。多分、女に声をかけていい感じになっていたら、男が出てきたしょーもない話だと思います。
7. Little Lover
これもスローブルース調で、いやらしくない普通に求愛の歌詞の様です。でも相手はストリッパーかもしれませんがね。
8. She’s Got Balls
多分いい女だと誉めて「あの女はガッツがあるぜ」だと思います。でも、女に見えるが「タマがある」と歌っていると思う。エアロスミスの”Dude (Looks Like a Lady)”にも通じるしょうもなさ。(ほめてますからね。私はAC/DCの大ファンです)
9. High Voltage
この曲も好きすぎる曲。タイトルからして「高電圧で感電しちまうぜ」のハイ・エナジーで豪快なブギー。しつこいギター・リフで頭がくらくらする。私はこのボン・スコットのスタジオ・バージョンもライブ・バージョンも、プロモーション・ビデオも大好きですが、2代目のブラインによる、アレンジを若干変え、観客がシンガロングできるライブ・バージョンも最高です。
あとがき
今更どうでもいい事に気付いたのは“Hight Voltage”があるから”Thunderstruck” ができたのかという事。もう少し振り返れば電撃ネタがあるかも知れません。乞うご期待。
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