MEATLOAF 「Bat Out of Hell II」

MEATLOAF 「Bat Out of Hell II」 ROCK

地獄のロック・ライダーII〜地獄への帰還』(原題:Bat Out of Hell II: Back into Hell)は、1993年発売の6枚目アルバム。ジム・スタインマンが作詞・作曲を担当した、壮大なロック・オペラ「Bat Out of Hell」”地獄のロック・ライダー”(1977)の16年ぶりの続編。95年にはプラチナx5の大ヒットを記録している。

「Bat Out of Hell」でブレイクを果たし、舞台・映画俳優でもあるミートローフは、優れた表現力を持つ歌い手です。またジム・スタインマンが創造する奇抜なロック・オペラの最高の表現者が、ミートローフなのです。現在両名とも鬼籍に入ってしまったのですが、生前彼らは「地獄のロック・ライダー」の名称使用権を争いながらも、互いを必要とするパートナーの関係を維持していました。

amazon 「Bat Out of Hell II」
  1. I’d Do Anything for Love (But I Won’t Do That)
  2. Life Is a Lemon and I Want My Money Back
  3. Rock and Roll Dreams Come Through
  4. It Just Won’t Quit
  5. Out of the Frying Pan (And into the Fire)
  6. Objects in the Rear View Mirror May Appear Closer Than They Are
  7. Wasted Youth
  8. Everything Louder Than Everything Else
  9. Good Girls Go to Heaven (Bad Girls Go Everywhere)
  10. Back into Hell
  11. Lost Boys and Golden Girls

演奏陣には E. Street Bandのロイ・ビタンがピアノ、トッド・ラングレンがギターとバックボーカル、ジョン・メレンキャンプを17年間ドラムで支えたケニー・アロノフが演奏に躍動感と安定をもたらしています。ロック・オペラ仕立てのアルバムですが、曲単体でもシングルカットも可能なキャッチーさがあり、実際3曲がシングルカットされました。#1「I’d Do Anything…」は28カ国で1位を獲得している。私が好きなのは、オペラチックでエキセントリックな「Out of the Frying Pan (And into the Fire)」。スクールウォーズIIの主題歌「FIRE」※に改変され、丸山みゆきさんが歌っいました。「Rock and Roll Dreams Come Through」はマイケル・ベイ監督が、当時18歳のアンジェリーナ・ジョリーを起用したのプロモビデオを製作している。他にはジム・スタインマンによるぶち切れひとり語り「Wasted Youth」がイントロとなる「Everything Louder Than Everything Else」も素晴らしい。ミートローフはロックシンガーとしてパワフルさも表現力にも優れ、曲の主人公としての演劇調のセリフも巧みにメロディにのせて歌い上げている。

関連作品

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Bat Out of Hel~地獄のロック・ライダー(1977)
世界で4400万枚を売り上げた歴史上最も売れたアルバムの一つ。ミートローフとジム・スタインマンとの初コラボ作であり、トッド・ラングレンのプロデュース作品。トッドにとっても結果を残した重要な作品。ジム・スタインマンがブルース・スプリングスティーンの作風を意識したことは有名な話。エレン・フォーリーとのデュエットもある。

amazon Bad for Good

Bad for Good ジム・スタインマン(Jim Steinman)(1981)ミートローフの2ndアルバムとして計画されていたが、ミートローフの喉の不調により、ジム・スタインマンのソロアルバムとなった。ジムのボーカルは細く貧弱で、プロダクションはデモ並みだが、曲は素晴らしい。後に「Rock and Roll Dreams Come Through」「Out of the Frying Pan」らはミートローフが地獄のロッライダー・シリーズで再演している。

Street Of Fire 『ストリート・オブ・ファイヤー』(1984)
ダイアン・レイン主演、ウォーター・ヒル監督のアメリカ映画のサウンドトラック。ジム・スタインマンの手掛けた、エキサイティングでドラマチックな「Nowhere Fast」、「Tonight Is What It Means to Be Young」で知らずのうちに彼の虜になっていたようである。彼は2021年に亡くなったが、ミートローフ、エア・サプライ、セリーヌ・ディオンやボニー・ライターらに提供した作詞・作曲家、プロデューサーとしての功績は計り知れない。

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Bat Out of Hell III~ The Monster Is Loose (2006)
ジム・スタインマンの提供曲もあるが、プロデュースはデスモンド・チャイルド。ジム&ミートローフ印のエキサイティングなロックが聴けるのは「Bad for Good」に、ニコラス・ケイジとアンバー・ハード主演映画「Drive Angry」挿入歌で地獄から脱出した主人公ケイジが、孫娘をさらった悪魔崇拝のカルト教祖を倒し、祝杯をあげるシーンで使われた「Alive」。パワーバラードでは、ジムがセリーヌ・ディオンに提供した「It’s All Coming Back to Me Now」が聴きもの。

あとがき
私は30年近くミートローフのファンとして、彼のアルバムを聴き続け、特に本作を愛聴している。歌手としては発音の明瞭な歌い手で、当時海外で英語を勉強中の私でも、歌詞カード片手に単語を聴き拾っていった思い出があります。他のアルバムでは、ザ・フーのロジャー・ダルトリーとエキサイティキングなデュオを聴かせてくれる”Bad Attitude”、セント・エルモス・ファイヤーの主題歌を歌ったジョン・パーとも共同アルバムを制作しています。

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