- …And the Gods Made Love
- Have You Ever Been (To Electric Ladyland)
- Crosstown Traffic
- Voodoo Chile
- Little Miss Strange
- Long Hot Summer Night
- Come On (Let the Good Times Roll)
- Gypsy Eyes
9. Burning of the Midnight Lamp
10. Rainy Day, Dream Away
11. 1983… (A Merman I Should Turn to Be)
12. Moon, Turn the Tides…Gently Gently Away
13. Still Raining, Still Dreaming
14. House Burning Down
15. All Along the Watchtower
16. Voodoo Child (Slight Return)
68年発売のジミヘンドリックスの3rdアルバム。お金を気にせずスタジオ作業に没頭できる念願のエレクトリック・レディ・スタジオの完成を祝してスタジオの名を冠したアルバムと思いきやロンドンのオリンピック・スタジオやニューヨークのレコード・プラント・スタジオで録音されたアルバム。スタジオの完成はアルバムの完成後のようだ。私も勘違いをしていました。ロック、ブルース、ジャズ、ファンク、サイケデリック等、不協和音で崩壊寸前のエクスぺリンスを見限り、ステーブ・ウインウッド等のゲストを迎えジャムりながら様々スタイルを模索し記録した作品集なのだろう。All Along the Watchtowerは是非一度は
…And the Gods Made Love
1:20秒程でスタジオでの音響やエフェクト効果を駆使した導入曲。
Have You Ever Been (To Electric Ladyland)
前曲のサイケデリックな導入を受け、神の作りたもう愛への厳かなで調べでアルバムは始まる。カーティス・メイフィールドを思わせるファルセットを交えた歌唱はソウル色が濃厚。後にレニー・クラベッツもカバーしている。
Crosstown Traffic
裏声コーラスも入り、少しファンキーでソウルな味わいがあるハードなロック。交通事情と恋愛を渋滞にかけ辿り着く困難を表現している。同時録音演奏なのか?リズムとリードギターの2役にギター音に笛(カズー)を被せる荒業が聴ける。
Voodoo Chile
一回目の「ブードゥーチャイル」。ボ・ディドリーの”I am Man”やマディ・ウォーターズの“Rolling Stone”を下敷きとして、ニューヨークのクラブやエレクトリック・レディ・スタジオでゲストを交えジャム・セッションを繰り広げた生なしい切り取りなのだろう。替え歌みたいなものなので元曲の”a boy chile coming’”で響きは、”a voodoo chile”なのかもしれない。
Little Miss Strange
ノエル・レディングの曲と歌。チェンジ・オブ・ペースでいいと思う。
Long Hot Summer Night
この曲想ならストレートなロックンロールになるのだろうが、リズムの構造、特にドラムが明らかにファンクを志向している。コーラスも怪しく後年のアイザレー・ブラザーズの曲のようだ。
Come On (Let the Good Times Roll)
アール・キングが作曲したロッキンブルース。ジミヘンがカバーしたことで、より広く知られるようになった。原曲のキャッチーな魅力を引き出した素晴らしい名演である。作者のアール・キングはニューオリンズで活躍した自作自演のブルース歌手でいいアルバムを発表している。
Voodoo Child (Slight Return)
一回目の「ブードゥーチャイル」。”Highway Chile”同様にここでもスペルに“D”は入らない謎。最初に聴いたときは、左右にパンしまくる大蛇がトグロを巻くようなギターがのたくる異様な音設計に大変驚いものです。アフリカにはブードゥー教で甦るゾンビがいるなんて情報を真に受けるやつがいるので。
Gipsy Eyes
フットストンピングやギターの単音弾きは、ジョン・リー・フッカーのオマージュだと思う。この曲がブルースの伝統からインスピレーションを受けていることは明らかで「ジプシー・アイズ」というフレーズも「モジョ・ハンド」「ブラックキャット・ボーン」のようなブルースの常套句と同様に、神秘的な響きを持っている。このような要素が曲に深みと奥行きを加えている。 映画ブルース・ブラザースのワンシーンのようにジョン・リー・フッカーが、ストンピングでリズムを取りながら、例の単音フレーズをかき鳴らし、深いブルース・ボイスで唱ってほしかった。
Burning of the Midnight Lamp
ベースはブルースなのだろうが、ハープシコードワウをかけたギターの音色のハーモニーは崇高に響き、孤独なリリシズムを称えた歌詞は美しくもある。ソロキャンプで孤独にじっと火を見ていると思い出す曲。エリック・クラプトンがライブでカバーしている映像があるが、まだ若い。お蔵入りにしたのもよく分かる。
Rainy Day, Dream Away
マイアミ・ポップ・フェスティバルでの雨の光景を描写した曲だそうだ。雨の日に夢見心地でいい気持ちの心理状態を表現したポジティブな曲のようだ。淡々としたリズムにサックス、ワウを利かしたギターとオルガンがうねうねとジャムぽく進行し、あっさり終わる。
Moon, Turn the Tides…Gently Gently Away
人魚やネプチューンの名が登場する幻想的な曲でメッセージ性はなさそうだ。聴くものを異次元に誘うサウンドスケープを味わって欲しい狙いのようだ。
House Burning Down
家が燃えてる!火事を見に行く野次馬的な歌なわけないよね。当時の社会情勢、特に黒人差別や暴動に関するテーマを扱っている。ギターのイントロからしてジミヘンの気合がみなぎり、ファンキーなハードロックになっている。
All Along the Watchtower
今の耳にはどうかと思うがまずは聴いてほしい。ボブ・ディランの素朴な原曲を歴史に残る名曲に仕立てたジミ・ヘンドリックスの技である。(ディランも感服して曲の印税はジミのものだと言っている)原曲を踏襲したアコギのリフが、意味不明の歌詞にもかかわらず聴く者のリリシズムを掻き立てる。間奏でのギターの素晴らしいこと。瞬発的なスピード感、めくるめく展開とワウ等のエフェクターを駆使したコズミックな音色の斬新さ。この曲のギターフレーズを弾いているYoutube動画を見るとジミの凄さがよく分かる。
Voodoo Child (Slight Return)
一回目の「ブードゥーチャイル」。”Highway Chile”同様にここでもスペルに“D”は入らない謎。最初に聴いたときは、左右にパンしまくる大蛇がトグロを巻くようなギターがのたくる異様な音設計に大変驚いものです。アフリカにはブードゥー教で甦るゾンビがいるなんて情報を真に受けるやつがいるので。
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