Jimi Hendrix [Axis: Bold as Love]

Axis: Bold as Love Jimi Hendrix
Axis: Bold as Love
Axis: Bold as Love
Axis: Bold as Love
  1. EXP      
  2. Up from the Skies
  3. Spanish Castle Magic
  4. Wait Until Tomorrow
  5. Ain’t No Telling
  6. Little Wing
  7. If Six Was Nine

8. You’ve Got Me Floating  
9. Castles Made of Sand
10. She’s So Fine
11. One Rainy Wish
12. Little Miss Lover
13. Bold as Love

67年の「Axis: Bold as Love」は、彼のチェロキー族の血を引く者の宇宙観や神秘体験、哲学や経験を反映させた創造性と音楽的な成長を示したアルバム。サマー・オブ・ラブの時代の作品でサイケデリック・ロック、ブルース、ジャズなど、さまざまな音楽スタイルが融合している。サブテーマは「宇宙や精神的な探求」。幼少期からSF好きでUFOを見たと主張している。宇宙への関心は高かったようだ。

このアルバムタイトル「Axis: Bold as Love」が示すものは何か?”Axis“はイスラム教の概念で崇高なものを示す説もあるが、「軸」という解釈で宇宙に中央に存在する「軸」=「神のような崇高な概念」=「大いなる愛」でいいのではないか。John Coltrane の 65年のアルバム「Love Supreme(至上の愛)」が示すものとの関連性を指摘しておきたい。

「EXP」
「Up From The Skies」
「EXP」のパンしまくる導入から始まる曲は、SF好きのジミヘンらしく、宇宙旅行から帰還した地球外生命体の視点から地球を観察するというユニークなアプローチ。帰還した地球外生命体が地球の環境破壊や汚染を憂いたシリアスな内容であった。

「Spanish Castle Magic」
ジミヘンが高校生の時に出入りしたシアトルのクラブ名「スペイン城」に魔法がつくのでちょっと現実離れした場所に行こうと誘っている。スペインじゃないけど半日かかるところを俺のドラゴンフライ(トンボ)で飛んでいけば直ぐだよと言っている。その辺はいいとして。レッド・ツェペリンのデビューアルバムは1969年発売なので当時としては相当ハードなサウンドでプレヘビーメタルと言われることもある。

「Wait Until Tomorrow」
明るく楽しい曲調とは裏腹に、最後に主人公が撃たれて死んでしまうという意外な展開を持つ曲である。ロミオとジュリエットを思わせる状況で、彼女に「明日まで待って」と言われた主人公が、結局彼女のお父さんに撃たれてしまう。彼女は「もう朝まで待つ必要はなくなったね。どうせ逃げても撃たれて死んでしまっていたわ」と言う。コミカルな描写を交えたソングライターとしての幅広さが、高く評価されています。女性役の裏声コーラスが笑える。

「Ain’t No Telling」
“I am not telling you when I see you”「いつ会えるかなんて言えないよ」と言っているだけの曲。1:20秒程ですぐ終わる。ギターのリフは良い。

「Little Wing」
バンド演奏でエレクトリックだがそれを感じさせないシンプルな美メロバラード。クラプトンがデレク&ドミノスでカバーしている。ステーブ・レイボーンやスティングもカバー。

「If 6 Was 9」
歌詞ではジミの世界観や分断への意思表明を示している。バンド演奏が素晴らしい。ベースとギターはユニゾンでリフの迫力を増強。ミッチのシンバル・ワークとヘビーなドラム。ギターエフェクトが宙を舞っている。ジミ流のサイケデリック・ブルース。レニー・クラベッツがカバーも納得。

「You’ve Got Me Floating」
前曲の彼女を示唆しているか不明だが彼女との関係が自分を舞い上がらせるという多幸感に満ちた曲。

「Castles Made of Sand」
「砂で出来た城が海に溶けていく」この詩を何度読んでも意味するところは深く謎である。懸命に築いたものが無常に崩れて失われていく。示唆するものは愛であり夢であり人生であり不幸な運命でもある。語り口はトーキングブルースのようでスローな曲のレッチリを思わすラップにも聴こえる。穏やかな曲でドラムも歌っているようだ。

「She’s So Fine」
ノエル・レディングが作詞・作曲した曲。ジミヘンとしては自分のコンセプトにそってアルバムを仕上げたいのだろうが、事情があるのだろう。タイトル通り呑気な曲で声がいまいちだが中々良い曲です。

「One Rainy Wish」
クイーンのブライアン・メイガ自身のボーカルでカバー。バラードだけど後半で崩壊していくようなカタルシス。

「Little Miss Lover」
ギターにはワウがかかり、ドラムのキックがドンドコドンとブラック・ロックの先駆けとして、ファンク・ロックとしても高い完成度。ジミのボーカルもヘビー。ステレオもいいがMONOも迫力がある。ジミの曲を後のどのアーティストがカバーしても様にならないのは、彼の作品のオリジナリティ(真似できない)閉じた世界観と完成度だろう。

「Bold as Love」
アルバムのクライマックス。アルバムで何度目かのバラードタイプだが、ドラムブレイク後に転調からハープシコードのメロディにエフェクターをかけたギターが拮抗する展開が、クライマックスであり宇宙を感じさせる瞬間である。

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