ドナルド・バード 「エチオピアン・ナイト」
1.”The Emperor” – 15:14
2. “Jamie” – 3:38
3. “The Little Rasti” – 17:41
Donald Byrd – trumpet
Thurman Green – trombone
Harold Land – tenor saxophone
Bobby Hutcherson – vibes
Joe Sample – organ
Bill Henderson III – electric piano
Don Peake – guitar
Greg Poree – guitar (tracks 1 & 2)
David T. Walker – guitar (track 3)
Wilton Felder – electric bass
Ed Greene – drums
Bobbye Porter Hall – congas, tambourine
71年ブルー・ノートから発売のドナルド・バードのアルバム。前後のアルバムとは音作りが異なり、ダークでミステリアス、構築的なジャズでありファンクである。緻密に構成された音空間でバードのトランペット、ヴィブラフォン、テナー、エレピの名手たちがダークなトーンでソロを繰り広げる。ボトムを担うの重く蠢くベースのウィルトン・フェルダーとエド・グリーン。フェルダーはクルセイダーズのテナー・サックス担当だが、ベースに厳しくここでは自ら弾いている。エドは後にスティーリー・ダンにも重宝された白人ドラマー。ファンクというよりロックより。ジェフ・ベックのワイヤードにも一曲参加している。
次作マイゼル兄弟にプロデュースを任せたアルバム「ブラック・バード」は、コマーシャルな作りで評価も高くヒットも納得。以後ドナルド=マイゼル兄弟体制は続くが、今作「エチオピアン・ナイト」は特異な作風で、同時期のアーティストの作品と並べても稀有な作品だと思う。スライス・トーンのアルバム「フレッシュ」「暴動」のダークで密室的な音空間に影響を受けていると思う。72年当時ではマイルスの問題作「オン・ザ・コーナー」の先を行き、75年「アガルタ」「パンゲア」のギター・カッティングやベース、構築性はこのアルバムから影響を受けていると思う。
このアルバムはLPでも持っている。ジャケットも相まってトータルに優れた作品だと思います。未聴の方にはお勧め。私の友人もこのアルバムを気に入り、夜のドライブに最高と言ってました。まあ分らんでもない。
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